TDM(Therapeutic Drug Monitoring)

1)時間・血中濃度曲線

AUC


ハベカシン(ABK)
バンコマイシン(VCM) タゴシット(TEIC)
有効血中濃度(ピーク値の目標)
9-20
25-40
25-40
中毒域(ピーク値の上限)
20
60-80
60
トラフ値(最低血中濃度)の安全濃度域
<2
<10
<10-15
バンコマイシンのピーク値は点滴終了後1ー2時間、ハベカシンのピークは点滴終了後1時間で採血する。

2)TDMの測定時期

 反復投与
一般的には、その薬剤の半減期の4ー5倍時間

半減期は、ABK(2hr),VCM(5-6hr),TEIC(50hr)であるので
定常状態となるのは、ABK(8-10hr),VCM(20-30hr)といわれておりこの時にTDMを行う。

TEICは、半減期が長いので、初めに多い目の投与を行う。(初回負荷、loading dose)
初日に200-400mgを2回投与し、2日目以降は200mg または 400mg を1回投与する。
この場合の測定時期は4ー7日目が良いといわれている。

まずは、トラフ値として点滴を行う直前に採血し、点滴終了直後にピーク値の採血を行う。
ただしバンコマイシンの場合点滴終了後1ー2時間後の採血で評価を行う。

3)TDMによる投与量・間隔の調節

( 図はTDM物語(Therapeutic Drug Monitoring)[第2版]国際医学出版より引用 )